vol.16【情報共有のための記録をうまくまとめたい】

産業看護職駆け込み寺
産業保健師 今田
産業保健師 今田

『産業看護職駆け込み寺』は、「保健事業に携わる人の情報誌 へるすあっぷ21」で、2020年4月号~2022年3月号まで連載されました。

産業看護職のさまざまなお悩みに、ベテラン産業保健師の今田が教科書的な正解とはちょっと離れた斜めの視点(?)からお答えしています。

今月のお悩み <2021年7月号>

情報共有のための記録をうまくまとめたい

 健康管理室のスタッフ間の情報共有のため、保健指導の内容を記録していますが、だらだらと長く書いてしまう、共有したい情報が正確に伝わらないなど、上手にまとめることができずにいます。情報共有に有用な記録のまとめ方を知りたいです。

保健指導記録の書き方には確固たる形式があるわけでもなく、看護職が各自で工夫しているワザやコツが共有されることもほとんどないですよね。

私自身も記録が長くなるタイプですが、誰かに聞いたり、相談したことはありませんでした。

こうして質問をいただいて、改めて保健指導記録の書き方に向き合ったのですが、地味ながら重要なテーマだと実感しました。

まずは、「なぜ記録が長くなってしまうのか」から考えてみましょう。

あなたはどう思いますか?

たとえば、「心配性で、とにかく多くの情報を残しておきたい」からでしょうか。

あるいは、他の看護職と共有時に「情報不足で迷惑かけたくないという親切心」もあるでしょうか。

私はこの「心配性&親切心」型でした(笑)。

こんなふうに、自分が無意識のうちに引きずられている要因を見つけて、そこに注意するだけでも変わると思います。

臨床看護でよく使われている記録の書き方(SOAPやフォーカスチャーティング)では、患者の状態やケアの内容を時系列に書いていきますよね。

もしかして保健指導記録を書くときも、その書き方につられていませんか。

個人的には、退院サマリーをイメージしたほうが書きやすいと思っています。

退院サマリーは看護課題ごとに経過と看護内容を記録しますが、同じように、保健指導記録には健康課題ごとに収集した情報とアセスメント、指導内容を書くと、まとめやすいですよ。

それから、カウンセラー向けの本の中にも参考になったことがありました。

それは「事実を書く・推測は書かない」というポイントです。

推測(~かもしれない、~らしい、など)は、個人の感じ方にも左右されるので、情報共有する他者に正しく伝わらない可能性があります。

たとえば、「運動はやりたくないようだ」という推測の形ではなく、「ウォーキングを勧めたが返事なし」という事実を記録すれば誤解がないですよね。

もっと手っ取り早い対策として、記録量を制限するためのマイルールを決めるのも効果的です。

情報をすべて記録に残すのは無理なので、

健康課題に優先順位をつけて上位3つのみを記録する、
文字数の上限を決める、
記入欄を広げない(欄外まで書かない)、
箇条書きにする、
一文を短くする(接続詞、形容詞、副詞を省くのがコツ)、

などの制限をかければ記録がだらだらと長くなるのを防げます。

記録を書くときは、『後で自分が参照したり、他の人に申し送るときに、どうしても伝えたいこと』以外は、思い切って削ってみてください。

私は『看護職として、何を考え、何をしたのか』を残せれば、それでいいと割り切っています。

以前、ご相談いただいた看護職にそうお話ししたら、後日、こんなお返事をいただきました。

「長く書かなくなって、何より自分が楽、記録する時も楽、次の支援の時もパッと見返せて楽。逆に自分がどれだけ保健指導から脱線した話も多いのか…知ることになりました」って。

大胆に削っても、意外と大丈夫なんですよね。

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