これはメルマガ【ピュア通信】のバックナンバー記事です。
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保健指導のとき対象者さんから、
こんなふうにきかれることありませんか?
「普通はどうするんですか?」
「検査値がどれくらいなら普通ですか?」
「痩せるには運動するのが普通なんですよね?」
とかなんとか。
そして私も、保健指導しながら、
「普通は△△なんですよ~」
「〇〇さんは普通だと思いますよ」
「普通は食べ過ぎのことが多いですね」
とか言ってるな~。
わりと普通に。
(^_^;)
共通のキーワードは「普通」です。
日本人の特徴なんでしょうかねぇ?
自分が「普通」かどうか気になって、
「普通」であれば安心するし、
「普通」から外れていると不安になって、
なんとかしようとする。
でもね。
「普通」って何でしょうかね?
その「普通」って、
誰が決めてるんでしょうかね?
以前、ストレスチェック後の健康相談で、
考えさせられたケースがありました。
相談者は、新卒のときは就職氷河期で、
非正規社員として社会人生活をスタートさせた方でした。
最初の会社に数年勤めましたが、
周りから「正社員として働くのが“普通”だ」と言われ、
転職したそうです。
転職先は、
「“普通”にやればできる簡単な仕事だから」
と知り合いに紹介された会社でした。
そして、正社員として就職し、
働き始めましたが・・・
パワハラ上司から、
「こんなこともできないのか。これくらいできるのが“普通”だろう」
「お前はなんで“普通”にできないんだ」
と、毎日怒鳴られていたとのこと。
おそらく、怒鳴られてますます頭が真っ白になってしまい、
さらに失敗を重ねるという悪循環だったのでしょう。
そしてついに、うつ病を発症して、退職。
それから療養とリハビリを経て、
現在の会社に非正規社員として就職し、
働いているとのことでした。
相談者のお話をうかがっていると、
「“普通”は正社員にならないといけないから」
「“普通”はもっと年収がないとだめだから」
「“普通”は結婚して子どもがいて、親の面倒も見ないといけない年齢なのに」
でも自分はそうじゃない。
だから自分はダメなんです。
というパターンの話し方をしてましたね。
どうすれば「普通」になれるのか・・・
真剣に悩み、不安に思っている様子でした。
あなたなら、
この方にどんなふうに声をかけたいですか?
私は、話を聞きながら、
とても切ない気持ちになりました。
そして、私の素直な感想を伝えました。
“普通”って、その人(当時のパワハラ上司)がそう言っているだけで、
本当にそれが”普通”かどうかはわからないと思いますよ。
すると、相談者はかなりびっくりしたみたいで、
「えっ、そうなんですか!?」と。
その様子を見て、
私がもっとびっくりしてしまった。
(^_^;)
私も「普通」になる方法を探して、
もがいてしまう傾向があるので、
息が詰まる感覚がよくわかります。
でも、「普通」って虚像だと思うんですよね。
具体的な「普通」の条件を、
すべて備えている人が実際にいるのか?
そう考えてみると、
「“普通”の人なんていないんだな~」
と思いませんか。
健康相談の最後に、
こんなこともお伝えしました。
その人が言っている“普通”と、
〇〇さんが思う“普通”は違っていてもいいんですよ。
私が「普通」になれなくて、
ネガティブになってしまうとき、
自分自身に言い聞かせている言葉です。
相談者さんはひとりごとのように、
「そうなんですか。そうなんですね・・・」
とおっしゃっていました。
ときどきふっと思い出すエピソードです。
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